札幌−幌加内−音威子府−天塩−稚内(2015年6月25日)


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6月25日(木)
札幌−(R275)−幌加内−美深−(R275・40重複区間)−音威子府−(R40)−佐久−(道119)−遠別−(R232)−天塩−(道106)−稚内

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稚内−(R238)−宗谷岬−(R238)−(道889)−宗谷丘陵−(道1077)−(R238)−猿払−(R238)−(エサヌカ線)−(R238)−(R275)−(道120)−(道647)−(R275)−音威子府−美深

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美深−(R275)−幌加内−(道528)−朱鞠内湖−(道528)−(R275)−札幌

 初めての単独宿泊ツーリング。以前,高校の同期会にバイクで行って1泊したことがあるが,観光あるいはツーリング自体が目的ではなかったので宿泊ツーリングとはいえないだろう。
 ライダーの聖地=北海道に住んでいながら,道央圏と道南しか走ったことがないのは,いかにも勿体ない。 まずは,最北端の宗谷岬を目指す(道北方面)のが順当なところだろうと日程と時期を検討した。1泊2日の日程でも不可能ではないが,往(い)って復(かえ)るだけのツーリングになってしまい,それではつまらない。 2泊3日の日程を組むと2日目の行程が大事で,1日目の宿泊は稚内として2日目の宿泊地は,札幌に戻りつつ周辺の見どころなども考慮した結果「美深温泉」に決定した。
 時期としては,夏のシーズンを外した日没の遅い時期となれば6月(の平日)しかない。 問題は天気だ。理想は,確実に好天が予想される(雨の確率がほぼ0パーセントの)3日間のその数日前に宿を確保(予約)すること。しかし,今時(いまどき)は観光地でもない地方のしかも平日であっても満室のことが多く,早めに予約を取る必要がある。 そこで,ネットで過去2,3年の上川,留萌,宗谷地方の年間の天候を調べたところ,6月は第4週あたりが好天の確率が高いことが判明し,日程は25(木),26(金),27日(土)に決定した。
 1週間前の天気予報はまずまず。それが当日に近づくにつれ,予報は下方修正(下り坂)。
 さて,出発当日の朝,どんよりとして今にも降り出しそうな空模様。ならば,装備(服装)は3シーズン用のライディングウェアの上に合羽(上下)も着用する。
 コースは,以前札幌から苫前まで海岸線を走ったこともあり,今回は音威子府まで内陸を走り,そこから海岸線に出て遠別−天塩−幌延−豊富ー稚内のルートを取ることにした。 海岸線のツーリングというのは一見快適そうなイメージを抱くが,意外と単調ですぐに飽きてくる。以前函館在任中に,道南の半島巡りで,いやというほど経験している。
 まずは,国道275号線(以後「R275」と記載。他の国道も同様)を北上する。R275は沼田あたりまでは田園地帯を通り抜ける面白くもなんともないルートだが,稚内を目指していると思うと,いつもとは少し違った印象を受ける。新十津川あたりでついに降り出してきた。雨脚も強まってくると,出発時のどんよりとした天気もずっとましに思えてくる。
 その後,降ったり止んだりの天気が続き,音威子府から日本海の海岸線に向かう頃から雨脚が激しくなってきて,海岸線に出た後,今回の目的の一つである道道106号線(稚内・天塩線)=オロロンラインでは土砂降りに見舞われツーリングを満喫するどころではなくなった。
 人間,過酷な状況に遭うと多少のことは気にならなくなる。それどころか,過酷な状況の程度が少しでも和らぐと快適に感じ,ハッピーな気分になるのだ。 また,過酷だと感じていたさらに上を行く過酷さを経験すると,さっきのは過酷でも何でもなかったと思えてくる。 だから,新十津川あたりの雨は,今にして思えば(オロロンラインの土砂降りからみれば)全然大したことではなかったと感じられるのである。 しかし,このオロロンラインの土砂降りも,後になってみれば,それ程のことではなかったと思えるようなさらに上を行く過酷さが待っていようとは,この時は知る由もない。

 1日目の目的地=稚内までは最短で300q強だが,上記ルートで走行キロ数はどのくらい伸びるか。 出発時刻は朝6時45分。

 専用のツーリングバッグ類は持っていないので(何しろ,ボンビー旅行だから),登山用ザックを代用する。レインカバーを被せ, ゴムバンドで固定し(長距離につき)荷崩れしないよう念のためネットで補強する。

 新十津川あたりで少し雨に降られたが,最初の休憩ポイント,北竜町の道の駅・ サンフラワー北竜に到着する頃には,ほとんど雨はやんだ。
 それにしても,何ともこちらが気恥ずかしくなるような建物の外観で,(行ったことはないが)まるで長崎・ハウステンボスのような雰囲気だ。

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 稚内への最短ルートは左折して羽幌・留萌方面に向かうR232を進むが,単調な海岸線を避けてここはそのままR275(美深方面)を行く。

 最初の給油は,沼田町を過ぎ幌加内町手前のホクレンきたそらち給油所。
 そういえば,北海道ツーリングのサイトを見ると,ホクレンのスタンドで給油すると「記念の旗」をゲットできるとのことで少し期待したが(以前は無料,最近では100円で入手できるらしい),従業員からは別に話もなく,また,こっちは(道外から見れば)地元民でもあるし特に催促することもなくそのまま出発した。

 R275も,道北一帯に入ると自然豊かな景色が広がり,ワインディングがそこそこ続くようになる。

 昼食は音威子府の「真っ黒いソバ」を予定していたが,ここにきて昼頃に到着するのは到底無理となったので(長丁場なので食事は時間時間できっちりと摂りたい), 不本意だが,通り道でもある翌日の宿泊地=美深の道の駅(宿泊は「びふか温泉」)で摂ることにした。

 R275沿いに朱鞠内湖(面積が日本最大の人造湖らしい)が垣間見える展望地点がある。 

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 美深市街地に入ったところで,初めて道路標識に稚内が表れた。 ここからまだ150qあるので,悪天候の中,さらに3〜4時間走らなければならないと思うと気が滅入ってくる。 しかし,2日目の宿泊地はここなので,その分帰りは少し楽かなとも思う。

 道の駅「びふか」に到着。ここで昼食を摂る。翌日に宿泊する「びふか温泉」は,道の駅から少し奥に入ったところにある。

 美深から音威子府までは旭川から来るR40との重複区間になる。

 音威子府からはかなり強い雨に打たれながら海岸線に向かってR40を走り,中川町・佐久で道道119号線(遠別・中川線)(以後「道119」と記載。他の道道も同様)に入る。 写真では降雨の程度が分かりずらいが,上の写真と比べて道路の濡れ具合で推測してもらえたでしょうか。

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 日本海沿いを走るR232まで24q。

 R232に突き当たって右折し,いよいよ海岸線を走る。天気がよければ,これからが最高のツーリングとなるはずだったのに残念・無念! 

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 道の駅「てしお」で休憩(道の駅での休憩はズバリ,トイレタイム!バイクは身体が冷えるせいか近くなる)。写真の一部が靄(もや)っているのは,デジカメのレンズが雨で濡れているからだ。
 それにしても,道の駅の名前が「サンフラワー北竜」,「森と湖の里ほろかない」など地名の前にサブタイトル・枕詞みたいのが付いていたが,北の方に来ると道の駅「びふか」,道の駅「おといねっぷ」,道の駅「てしお」,道の駅「わっかない」と地名そのままで,シンプルというかいさぎよい感じがして実に好ましい。 道内には,こちらが赤面してしまうような枕詞が付いた(ほろかないのように「〇〇の里」みたいな)名の道の駅が多い。写真をクリック

 R232は天塩から先は内陸に入ってしまうので,道106(稚内・天塩線)に乗り換え?海岸線=オロロンラインを走る。 稚内まで67q。100qを切るとだいぶ近づいてきた感がする。あと一息,まあ,この天気を考えればまだ二息くらいか。
 途中,撮影スポットである「北緯45度モニュメント」を見逃し(通り過ぎる時一瞬気づいたが,悪天候の中Uターンする気力がなかった),また,「サロベツ原野」に寄り道してもいい写真が撮れないのは分かっていたので, 稚内に向けてひた走る。写真をクリック

 雨もほとんどあがってきたが,しかし,天気が良ければ(この恨めしさを今回は何度思ったことか)絶好の風景=自分の想像として,右手に広がるサロベツ原野の広大な湿原と左手には真っ青な日本海の水平線の彼方に浮かぶ利尻富士=をカメラに収めることができたに違いないと思うと残念でならない。この辺りがその(オロロンラインの)核心部なのだろう。

 道路脇の花を撮るゆとりも出てきた。知床でお馴染みのハマナスがここの海岸にも咲いており,翌日に走ったエサヌカ線の海岸でも見られた。

エゾスカシユリ?

エゾカンゾウ

 ようやくのこと稚内市に突入したが,時刻はすでに夕方4時を過ぎている。
 ノシャップ岬に寄り道したかったが,時間も押しているし今日のところはショートカットして市街地に向かうことにした。 ノシャップ岬は時間的に余裕のある翌日に回すことにしよう。

 市内に入って少し道に迷い,宿泊先のホテルに到着したのは5時過ぎであった。
 街中のビルの脇に駐輪しているバイクは,深夜になって盗難,いたずらの被害に遭いそうなので車種を特定できなくする (これが意外と防犯上大事なポイントらしい)ためと一晩中雨ざらしだと電装系に悪いかなとも思い,持参してきたカバーを掛け,前輪にU字ロックをかます。

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 1日目の走行キロ数は何と399q。ネットで検索した最短ルート315qよりも大幅にキロ数が増えたが, バイクはツーリングそのものが目的みたいなものだからどうってことはない。

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