札幌−豊浦−雲石峠−江差−函館(2015年8月27日)

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8月27日(木)
札幌−(R230)−中山峠−洞爺湖町−(道285)−(道97)−豊浦−(R37)−長万部−(R5)−八雲−(R277)−雲石峠−熊石−(R229)−江差−(R229)−(R228)−上ノ国−(道5)−木古内−(R228)−函館

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函館−(R5)−(函館新道)−(R5)−(道96)−新函館・北斗駅−(R227)−厚沢部−(道67)−落部−(R5)−長万部−倶知安−(R393)−(道956)−朝里−(R5)−(R337)−(道125)−(R5)−(R274)−札幌

 6月下旬,単独宿泊ツーリング・道北編を敢行し,翌年は道東と道南方面を目論んでいる。 道南は,北海道最南端の白神岬は外せないので松前,函館辺りに宿泊して2泊3日の日程を考えているが,ふと,函館だけなら1泊で行ってこられるんじゃないかと翌年の下見がてら8月下旬の木曜日に出発した。
 10年くらい前2年弱の函館在任中,道南はすみからすみまで回った。 函館(自宅のある湯の川)を出発し,松前半島,亀田半島(以前は一括りで渡島半島と呼ばれていたように記憶している)一帯の観光名所,風光明媚な地, また,ほとんど通行車両のない山中の道道などを目指すツーリングを満喫したのがなつかしい。
 それにしても,函館自体が道南有数の観光地なのに,住んでいるとその感覚はなく,当時,街中は郊外へ脱出するのに時間を喰うだけの存在という認識で,そういえば市内観光名所にはほとんど行かなかったと今更ながら思ってみたりする。 そこで,今回は函館市内観光を重点的に盛り込むことにした。 

 出発は朝6時40分。
 最近は,すっかり「雨男」が定着したのか,この日も「どんよりとした天気」といってるそばからポツリ,ポツリと降りだしてきた。 合羽上下装着の完全装備でバイクに跨り,国道5号線(例によって以降「R5」と記載し,他の国道も同様とする)から豊平川沿いの道を通り, 真駒内を貫けR230に出て函館を目指す。

R230(0の数字がかすれているが)
 中山峠手前の地点。下道で函館に行く場合はR230(途中から道道285号線に入る)を豊浦経由で行くのが一般的なルートで,中山峠が一つのポイントだ(冬場の天気・道路状況などで真っ先にテレビに映る峠)。 夏場はどうってことないが,それでもバイクで雨天の峠越えは少し緊張するところである。しかし,この辺りに来て雨も上がり道路も乾いてきたのでほっとする。

 6月の稚内ツーリングでも荷崩れ防止用にネットで補強したが,登山用ザックにはサイズが小さく不安もあったので, 今回LLサイズのネットに替えた。

 通常は,少し手前の道の駅「230ルスツ」で休憩を取るところだが,不安定な天気につき少しでも距離を稼ぎたいので道の駅「とうや湖」で1回目の休憩を取る。
 札幌からここまで95q,2時間10分の所要時間である。札幌市街地を抜けるのに多少時間を喰ってしまったが, 距離と所要時間,これが一つの目安となって今後のツーリングの参考になる。

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道道285号線(豊浦・洞爺線)
 R230から豊浦にショートカットする道道285号線(例によって以降「道285」とし,他の道道も同様とする)に入る。
 函館在任中に概ね2週間に一度帰省する際に,時刻にして金曜の深夜になっているが,この辺りまで来たときの札幌に近づいたという安堵感が思い出されて懐かしい(もちろん車で)。

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道道97号線(豊浦線・京極線)
 道285は道97に合流し,その後R37にぶつかるので右折し海岸線を函館に向かう。

 長万部市街地手前の海岸線は,R37とR230との重複区間である。ちなみに,それぞれの区間をネットで調べると,R37は長万部から室蘭まで,R230は札幌から「せたな」までとなっている。
 この辺りは写真でもわかるとおり,極めて見通しの良い直線道路。正直80q/hくらい出ていても(普通に走っていても気が緩むとそのくらいのスピードになってしまう),そもそも十字路の交差点も皆無なのでぶつかりようが(事故が起きようも)ない。 しかし,油断は禁物である。道路脇の少し目立たないところにパトが潜んでいるのだ(こう見通しがいいとネズミ取りは無理だろう!)。 函館在任中,札幌に帰る金曜日の夜10時頃,潜んでいる(危ねー,勘弁してくれー!)ところを目撃したことがある。

 長万部からはR5になり(国縫=「くんぬい」まではR230との重複区間)八雲の国道沿いのスタンドで1回目の給油を行う。 燃費は概ね18q/Lとわかっているが,札幌からここまでのキロ数(184q)と給油量(というよりは,燃料計の針の位置)をチェックすることで,感覚的にこの先の給油計画が立てやすいのだ。

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 八雲市街地入口付近まで引き返してR277を日本海側のR229を目指す。この時点では,江差−松前ー白神岬(北海道最南端)の松前半島を巡って函館入りを目論んでいた。

 R277は八雲(太平洋側=実際は噴火湾)と旧熊石(日本海側)を結ぶ国道だが,途中市街地は皆無で「おぼこ荘」という温泉場があるくらいの交通量がほとんどない区間だ。それにしても,国道とは思えない道路幅!

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雲石峠
 八雲−熊石のそれぞれ「雲」・「石」を取って雲石峠。
 寄りよってというか峠だからか,ガスがかかってくる。幸いに霧雨程度の降りだったので無事峠越えを完了した (というほどの峠でなく,中山峠や日勝峠などと比べると別にどうってことはない。標高は650mと低いが,実は小樽−赤井川間の「毛無峠」はバイクでは自分にとって最も手強い峠の一つ)。

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日本海に出てR229にぶつかる。

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 左折して江差方面に向かうところだが,右折して3q程先のネットで調査済みの熊石漁港近辺にある寿司屋を目指す。 目的の江差とは反対方向なので電話して営業中を確認してから向かった。

 日本海は時化(しけ)で荒れている(荒れているのを「しけ」というのか?)。

 ネットで調べていたら,ランチで1.5人前の握りが1,380円で食べられる店が熊石にあったのでやってきた。 少し寄り道したかいがあって十分に満足できるランチであった。

江差町の独特な街並み。 

北洋銀行・江差支店

北海道新聞・江差支局

海洋丸
 以前と停泊位置が変わったのか,または周辺の立ち入り禁止区域が増えたのか,なかなか気に入った構図が取れなかった。

 R229は江差で終了し,今度は函館までのR228となる。

 R228は松前半島を巡る国道だが,ここにきて半島を回るのは時間的に厳しくなってきたので, 上ノ国から木古内へショートカットする道5(江差・木古内線)にルートを変更するが,この区間はずっと雨に降られた。

 木古内に入ると北海道新幹線の高架にぶち当たり,その高架の進行方向少し先に新幹線の木古内駅がある。また,写真右奥に在来線の踏切が見える。
 ちなみに,新幹線が開業すると並行する在来線の区間である木古内〜五稜郭は,JRから経営分離され第3セクターが運営するという話だ。

 おっ,函館山が見えてきた。8年ぶりか,なつかしい!しかし,見るたびに思うが,これはなんだなぁ,一つの島のようだ。
 実際,史実によると,元々島だったのが流出した土砂の堆積で陸続きになったという。

 津軽海峡の向こうにうっすらと本州(下北半島)が見える。

 国道(この辺りに来るとR227らしい。道南のR227,R228,R229の区切りがよくわからない) を北斗市(旧上磯町)から函館に入ってすぐの左手に北海道大学水産学部がある。 国立大学法人化後は,組織上,大学院水産科学研究院・水産科学院,水産学部という構成になった。 同様に改組している学部が他にもあるが,しかし,その改組の本質を理解している者は少ない(と思う。多分)。

函館ハリストス正教会

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 坂の景色で一番有名な八幡坂。しかし本当は,もう一つ上の段から見た景色が本物で,これは全然ダメ!
 実は,ここで,この有名観光スポットで何と立ちゴケを喫してしまった。現場は写真のはす向かいの地点で,状況は次のとおり。
 水産学部から函館駅方面に向かいそのまま道なりに進むと一帯は函館山の麓。八幡坂の案内標識があったので左折すると,いきなりものすごい傾斜の坂道! 写真の右下から登ってくると,横に走っているのが優先道路なので一時停止後の坂道発進でつまずいた。アクセルを吹かしつつもバイクが進まない。 いまさらの坂道発進なのに1,100tのトルクが全く感じられないのだ。そのうち,後から来たアメ〇カン軍団が人をあざ笑うかのような表情で去って行きやがった。 だから嫌いなんだよ,ア〇リカン軍団は!
 今にして思うに,すごい傾斜に多少の焦りがあったのかギアをローまで落としていなかったかもしれない。 また,一時停止でもう少し平らになるところまで登ってバイクを停止すべきだったか。
 そうこうするうちに,交差点で立ち往生しているものだから今度はミニパトに早く立ち去れと言わんばかりの注意を受け二進も三進もいかなくなってしまった。 バイクを降り押し歩きを試みたが,まだ傾斜のきついところなので非力な自分には無理であった。
 坂道で250s(言い訳がましいが,ここは少しでも重さを強調したいところだ)を支え続けるのにも限界がきて,そしてついに立ちゴケとなり,結論を言えば,件(くだん)のミニパトの中年巡査部長(推測)と若い女性巡査(同様に推測)コンビに引き起こしを手伝ってもらったのであった。お世話になりました!

 立ちゴケ(のショック)にもめげず,その後,観光スポットとしてやはり定番の金森赤レンガ倉庫は外せないので,根性で?訪れましたよ。
 奥は函館山。

 いろいろあったが,バイクも自分も大して傷つくこともなく(バイクを倒した時に付いたと思われる打撲痕が向う脛にあった),無事ホテルに到着。
 ツーリングの終盤でとんでもないトラブルに見舞われた長い1日であったが,大事に至らなくて良かったと心底思った。

 本日の走行キロ数は381q。上ノ国からショートカットしてもなおこのキロ数。
 札幌−松前半島巡り−函館のコースはもっと日の長い6〜7月の早朝出発でないと厳しいことが判明した。

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