2006年7月1日(土) うす曇 大千軒岳=知内川コース(上ノ国町・福島町・松前町境) 1,071m
大千軒岳の花

 江戸時代にキリシタンが殉教の死を遂げたという歴史的な舞台となった道南の山に登った。金山番所と稜線に出た所に十字架がある。彼らキリシタンは,迫害から逃れるため知内(しりうち)川を遡ったのだろうか。
 標高1,071m,標高差840mと数字的にはたいしたことないが,前半は沢沿いのテープ頼りの数回渡渉を余儀なくされるルート,金山(かなやま)番所の先からは急登が稜線まで続き,休憩を入れて5時間の長丁場だ。
 稜線から山頂まで50分もかかったのは,シャリバテのため途中(お花畑)で昼飯にしたからである。
 日頃の運動不足のうえに久しぶりの山だったから,今回はふくらはぎ以外に太ももにも痙攣が襲ったので,特に下りが辛かった。 急な斜面を下りつつ,よくもここを登ったものだと思い,しかも登りの辛さを覚えていない。こんな経験は初めてだ。 そして,沢沿いの遡行は緊張も強いられ,一人ではこの山は厳しいと思った。
 下山後,あらためてガイドブックを見ると,山頂直下左脇道に湧き水がほとばしるといい,また,天気が良ければ津軽海峡の向こうに岩木山,八甲田山が望まれるという。好天のチャンスにまた行かねばならない。

金山番所(写真上):十字架の手前の台の上に,実はヘビが一匹いる(写真を撮る前に二匹いたのが,一匹逃げて行った。)。

登山口
 無意根山が(札幌)近郊では奥深い山だと感じたのは,国道から林道を5.5km分け入ってやっと登山口だからである。 しかし,ここは,(函館)市内から国道(228号線)を70km走り,福島町千軒から林道を約7km入った所にある。 また,大千軒岳から間近に望まれる七ツ岳ではあるが,登山口はまったく別の地点からのアプローチで, 上ノ国・木古内を結んだ道道(5号線)から林道を18km走る。
 あらためて,(国道,道道から)登山口までのアプローチの長い山はいくらでもあると思った。

 8:20 登山口
10:30 金山番所
12:20 稜線(十字架)
13:10 山頂

13:20 下山
15:20 金山番所
17:00 登山口

 登山口すぐ先のつり橋は,かなり揺れる。(下山のとき登山口の方向)

 知内川の遡行は,テープを見落とさないようして何回かの渡渉を繰り返した。一番緊張した区間だ。

 金山番所のレリーフ。写真では判読できないが次にように刻まれている(らしい)。
 神 彼等をこころみ
 炉の中の金の如く試され
 ふさわしき犠え(いけにえ?)として
 受け入れ給いき
   −知恵の書−
 寛永十六年夏,千軒岳にて
 百六人の<クリスチャンが殉教
 の死を遂げた。
  吾々は彼らの信仰を偲び
 その御取次ぎを乞い願う。
  昭和三十八年七月二十一日
  函館カトリック教会信徒一同 

 あと○○メートルだから頑張れという「ガンバレ岩」。しかし,○○メートルが判読できないで, あと,どの位頑張れがいいのかわからないのが辛いところだ。

 7月でも,残雪があるところにもって,ガスもかかってくると,少し不安になる。

 登山道はしっかり刈り分けられているが,稜線が近くなるとまわりの草木は低くどこでも歩けるため, ガスがかかると道を外れるおそれがあるので油断できない。

 稜線に出て山頂方向右に進むとすぐに十字架がある。

 登ってきた道を振り返ると,少しガスが出てきた。

 山頂方向を望む。

 北海道最古(最初)の一等三角点がある。